Cクラス-食品学1(7回目)/8-10講義,9-10配布 [食品学C]
【無機質,嗜好成分,色,味】
【中間テスト対策プリント答え合わせ】
6) 無機質
定義など
生体内において微量で働く栄養素の中で無機物を無機質またはミネラルという。
食品を500℃~600℃で灼熱灰化した時に残るものを配分といい、そこに含まれるものが無機質である。
体に存在する元素のうち酸素、炭素、水素、窒素を除いたものが無機質。
無機質の分類
マクロミネラル(7種類)/ O、C、H、Nを加えて11種類を常量元素という
Na/ナトリウム K/カリウム Ca/カルシウム Mg/マグネシウム
P/リン S/硫黄 Cl/塩素
Na-Pは成分表に収載されている
ミクロミネラル/微量元素
Fe/鉄 Zn/亜鉛 Cu/銅 Mn/マンガン
I/ヨウ素 Mo/モリブデン Cr/クロム Co/コバルト
Se/セレン
Co以外は成分表に収載されている
その他
Si/ケイ素 Ni/ニッケル V/バナジウム Al/アルミニウム
無機質の働き
・骨や歯などの主成分
難溶性の塩として利用される。
カルシウムとリンからなるヒドロキシアパタイトの形で骨70% 歯のエネメル質90〜95%を占める。
・浸透圧の維持、pHの調節、神経や筋肉の興奮性の維持
イオン化して利用される。
・酸素運搬、細胞内酸化、血液凝固、酵素の必須因子などに関与している。
酵素の必須因子とはアポ酵素と結びつき酵素活性を強める働きである。このことを賦活作用という。水溶性ビタミンにも同様の働きがあるが、この場合補酵素という。
【嗜好成分】
7) 嗜好成分
定義など
食品の好き、嫌いに関わる成分。
食品のおいしさに関わる成分。
味、色、香、物性に関する成分。
食品から得られる情報(図10)
見ることで色、形、艶、張りなどがわかる
嗅ぐことで匂いがわかる
食べることで味や食感(硬い、柔らかいなど)がわかる
最後においしい?、おいしくない?、甘い?、酸っぱい?など評価をする
これら色、味、匂い、物性に関する成分を嗜好成分という
7)-1.色素成分
定義など
食品の色に関わる成分。脂溶性と水溶性に大別できる。
色素成分の分類
カロテノイド(赤〜橙〜黄/脂溶性)
光に弱く、熱に比較的強い。 → 調理の際はあまり気にしなくても変色や腿色は起こらない。
植物の葉緑体、根、果実に広く分布する。葉緑体中ではクロロフィルによってカロテノイド色が隠れているが、クロロフィルが分解すると現れる。
植物が作る色素であるが、それを餌とする鶏の卵やエビ、カニにも存在する。さらに、エビ、カニを餌にしているサケ、マス、タイにも存在する。卵黄の色は餌にこの色素を与えることで濃くも薄くもコントロールできる。
化学的な構造によりキサントフィルとカロテンに分けられる。
カロテンにはβ-カロテンやリコペンがありキサントフィルにはクリプとキサンチンやアスタキサンチンなどがある。
プロビタミンAとして働くβ-カロテンがある。
抗酸化作用のあるものもある。
クロロフィル(緑/脂溶性)
不安定な化合物で酸に弱い。特に熱が加わると速やかに分解してフェオフィチン(黄〜褐色)となる。 → 調理の際に用いる調味料の多くには酸が含まれており、植物体自身にも若干の酸が含まれるため注意が必要である。
銅や鉄処理後、NaOH処理すると銅(鉄)クロロフィリンナトリウムとなり、色調が安定となるため着色料として利用される。
ポリフェノール(白-黄-褐色/赤-紫-青/水溶性)
色だけではなく味や風味に関与する。抗酸化作用もある。 → 調理のとき変色の可能性がある。
フラボノイド、カテキン、アントシアニンに分けられる。
フラボノイドはpHにより色が変化し、酸性では白、アルカリ性では黄となる。
紅茶 → レモンティーにすると薄くなる 小麦粉 → かん水で捏ねると黄色くなる
カテキンは酸化酵素により酸化されると褐色となる。
リンゴ、レンコン、ジャガイモなどの褐変反応
アントシアニンは糖と色素体(アントシアニジン)からなる配糖体で色調が鮮やかである。
アントシアニンもpHにより色が変化し、酸性で赤、アルカリ性で青が強くなる。
ヘム(赤/水溶性)
肉や血の色に関与する成分。たんぱく質と結合して存在する。
肉の色素はミオグロビン、血の色素はヘモグロビン。
酸素の状態や加熱、硝酸塩の存在により色調が変化する。
加熱 → メト化(褐色、灰白色)
亜硝酸塩などで処理 → ニトロソ化(ピンク〜赤で安定/ハムの色)
7)-2.味覚成分
定義など
食品の味に関わる成分。
甘味、塩味、酸味、苦味、うま味を五つの基本味といい、これらの味は舌の表面にある味蕾(みらい)で感じている
五つの基本味とは別に、渋味、辛味、えぐ味がある。これらの味は舌や皮膚の麻痺により感じる味である。
甘味
天然物 ショ糖、ブドウ糖、果糖、麦芽糖
人工物 人工甘味料 アスパルテーム、サッカリンなど
人工甘味料は甘味が強く低カロリーのものが多いが、加熱による味の変化や後味等の問題があり料理で使用する場合には工夫が必要である。
・甘味度 通常、ショ糖の甘味を1として数字で表す。
ブドウ糖0.64~0.74 果糖1.15~1.75 麦芽糖0.3
アスパルテーム100~200 サッカリン500
塩味
食塩(NaCl)
甘味を引き立てる効果がある(対比効果)
酸味
有機酸、無機酸が放出する水素イオンに依存する味。
果物全般(リンゴ酸)、柑橘類(クエン酸)、
ぶどう(酒石酸)、食酢(酢酸)
【中間テスト対策プリント答え合わせ】
6) 無機質
定義など
生体内において微量で働く栄養素の中で無機物を無機質またはミネラルという。
食品を500℃~600℃で灼熱灰化した時に残るものを配分といい、そこに含まれるものが無機質である。
体に存在する元素のうち酸素、炭素、水素、窒素を除いたものが無機質。
無機質の分類
マクロミネラル(7種類)/ O、C、H、Nを加えて11種類を常量元素という
Na/ナトリウム K/カリウム Ca/カルシウム Mg/マグネシウム
P/リン S/硫黄 Cl/塩素
Na-Pは成分表に収載されている
ミクロミネラル/微量元素
Fe/鉄 Zn/亜鉛 Cu/銅 Mn/マンガン
I/ヨウ素 Mo/モリブデン Cr/クロム Co/コバルト
Se/セレン
Co以外は成分表に収載されている
その他
Si/ケイ素 Ni/ニッケル V/バナジウム Al/アルミニウム
無機質の働き
・骨や歯などの主成分
難溶性の塩として利用される。
カルシウムとリンからなるヒドロキシアパタイトの形で骨70% 歯のエネメル質90〜95%を占める。
・浸透圧の維持、pHの調節、神経や筋肉の興奮性の維持
イオン化して利用される。
・酸素運搬、細胞内酸化、血液凝固、酵素の必須因子などに関与している。
酵素の必須因子とはアポ酵素と結びつき酵素活性を強める働きである。このことを賦活作用という。水溶性ビタミンにも同様の働きがあるが、この場合補酵素という。
【嗜好成分】
7) 嗜好成分
定義など
食品の好き、嫌いに関わる成分。
食品のおいしさに関わる成分。
味、色、香、物性に関する成分。
食品から得られる情報(図10)
見ることで色、形、艶、張りなどがわかる
嗅ぐことで匂いがわかる
食べることで味や食感(硬い、柔らかいなど)がわかる
最後においしい?、おいしくない?、甘い?、酸っぱい?など評価をする
これら色、味、匂い、物性に関する成分を嗜好成分という
7)-1.色素成分
定義など
食品の色に関わる成分。脂溶性と水溶性に大別できる。
色素成分の分類
カロテノイド(赤〜橙〜黄/脂溶性)
光に弱く、熱に比較的強い。 → 調理の際はあまり気にしなくても変色や腿色は起こらない。
植物の葉緑体、根、果実に広く分布する。葉緑体中ではクロロフィルによってカロテノイド色が隠れているが、クロロフィルが分解すると現れる。
植物が作る色素であるが、それを餌とする鶏の卵やエビ、カニにも存在する。さらに、エビ、カニを餌にしているサケ、マス、タイにも存在する。卵黄の色は餌にこの色素を与えることで濃くも薄くもコントロールできる。
化学的な構造によりキサントフィルとカロテンに分けられる。
カロテンにはβ-カロテンやリコペンがありキサントフィルにはクリプとキサンチンやアスタキサンチンなどがある。
プロビタミンAとして働くβ-カロテンがある。
抗酸化作用のあるものもある。
クロロフィル(緑/脂溶性)
不安定な化合物で酸に弱い。特に熱が加わると速やかに分解してフェオフィチン(黄〜褐色)となる。 → 調理の際に用いる調味料の多くには酸が含まれており、植物体自身にも若干の酸が含まれるため注意が必要である。
銅や鉄処理後、NaOH処理すると銅(鉄)クロロフィリンナトリウムとなり、色調が安定となるため着色料として利用される。
ポリフェノール(白-黄-褐色/赤-紫-青/水溶性)
色だけではなく味や風味に関与する。抗酸化作用もある。 → 調理のとき変色の可能性がある。
フラボノイド、カテキン、アントシアニンに分けられる。
フラボノイドはpHにより色が変化し、酸性では白、アルカリ性では黄となる。
紅茶 → レモンティーにすると薄くなる 小麦粉 → かん水で捏ねると黄色くなる
カテキンは酸化酵素により酸化されると褐色となる。
リンゴ、レンコン、ジャガイモなどの褐変反応
アントシアニンは糖と色素体(アントシアニジン)からなる配糖体で色調が鮮やかである。
アントシアニンもpHにより色が変化し、酸性で赤、アルカリ性で青が強くなる。
ヘム(赤/水溶性)
肉や血の色に関与する成分。たんぱく質と結合して存在する。
肉の色素はミオグロビン、血の色素はヘモグロビン。
酸素の状態や加熱、硝酸塩の存在により色調が変化する。
加熱 → メト化(褐色、灰白色)
亜硝酸塩などで処理 → ニトロソ化(ピンク〜赤で安定/ハムの色)
7)-2.味覚成分
定義など
食品の味に関わる成分。
甘味、塩味、酸味、苦味、うま味を五つの基本味といい、これらの味は舌の表面にある味蕾(みらい)で感じている
五つの基本味とは別に、渋味、辛味、えぐ味がある。これらの味は舌や皮膚の麻痺により感じる味である。
甘味
天然物 ショ糖、ブドウ糖、果糖、麦芽糖
人工物 人工甘味料 アスパルテーム、サッカリンなど
人工甘味料は甘味が強く低カロリーのものが多いが、加熱による味の変化や後味等の問題があり料理で使用する場合には工夫が必要である。
・甘味度 通常、ショ糖の甘味を1として数字で表す。
ブドウ糖0.64~0.74 果糖1.15~1.75 麦芽糖0.3
アスパルテーム100~200 サッカリン500
塩味
食塩(NaCl)
甘味を引き立てる効果がある(対比効果)
酸味
有機酸、無機酸が放出する水素イオンに依存する味。
果物全般(リンゴ酸)、柑橘類(クエン酸)、
ぶどう(酒石酸)、食酢(酢酸)
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