Yクラス-食品学(8回目)/21-24講義,22-25配付 [食品学Y]
【植物性食品、穀類、小麦、その他の穀類】
【植物性食品、いも及びでん粉類】
■植物性食品 ■穀類
b. 小麦
米に比べ脆いため粒状では使用せず、小麦の種子を粉砕、篩い分けして、皮部(表皮/ふすま)と胚芽部を取り去り、内部の胚乳部を集めたものを利用する。→ 小麦粉
胚乳部は小麦種子の約83%を占めており、炭水化物、たんぱく質などが主成分である。
1) 小麦の分類
・品種による分類
パン小麦、デューラム(デュラム)小麦、クラブ小麦など
パスタの表記でよく見かける デュラムセモリナ → デュラムは品種、セモリナは粗挽き
・播種(はしゅ)時期による分類
冬小麦、春小麦 春小麦の方がたんぱく質含量は高い傾向にある。
冬小麦 秋~冬に種を播き夏に刈り取る
春小麦 春に種を播き秋に刈り取る
・外皮の色による分類
赤小麦、白小麦 赤小麦の方がたんぱく質含量は高い傾向にある。
外皮の色のため製品(小麦粉)の色とは無関係
・粒子の硬度による分類
軟質小麦、中間小麦、硬質小麦
硬質小麦はたんぱく質含量が高く切断面がガラス状をしている。
日本で栽培されるのは主に中間小麦 → うどんに向く
・種類(薄力粉、中力粉、強力粉)
小麦粉はたんぱく質量により物性が異なり、調理特性も異なる。
薄力粉 たんぱく質含量は少ない 粘りが少ない
菓子、天ぷら、スポンジなどに利用
中力粉 たんぱく質含量は薄力粉と強力粉の中間
うどん、パンに利用
強力粉 たんぱく質含量は多い 生地の粘弾性が強い
パン、パスタ、中華めんなどに利用
・品位 特等粉、1等粉、2等粉、3等粉、末粉 など
灰分量から品質が決められている。
小麦粉の主成分である炭水化物はCとHとOからできており、灰化すると二酸化炭素と水になり何も残らない。そのため、小麦粉を550℃で灼熱灰化し残った灰の量から異物(外皮や胚芽)の混入を想定して品質を決める。
外皮やはいが混入すると繊維が増し、色が悪くなり、酵素活性も強めて品質を低下させる。
成分表 小麦粉 薄力粉 1等 0.4% 2等 0.5%
特等粉 0.32-0.36 1等粉 0.37-0.40 2等粉 0.45-0.55 3等粉 0.75-1.00
皮部(外皮)・胚芽の混入が少ない
→胚乳純度が高い→白度が高い。加工性に優れる。消化がよい。
皮部(外皮)・胚芽の混入が多い
→胚乳純度が低い→白度が低い。酵素による炭水化物やたんぱく質、脂質の分解がみられ、加工性が悪く、異臭が生じる場合がある。繊維質が多く消化が悪い。
2) 小麦の成分
一般成分
[小麦粉]薄力粉 1等
水分14.0%,タンパク質8.0%,脂質1.7%,炭水化物75.9%,灰分0.4%
[小麦粉]中力粉 1等
水分14.0%,タンパク質9.0%,脂質1.8%,炭水化物74.8%,灰分0.4%
[小麦粉]強力粉 1等
水分14.5%,タンパク質11.7%,脂質1.8%,炭水化物71.6%,灰分0.4%
・たんぱく質 8-12%
強力粉(11.7%) 中力粉(9.0%) 薄力粉(8.0%)
主体はグリアジンとグルテニン
リジンが第一制限アミノ酸でアミノ酸価は低い
小麦粉を水で捏ねると両者から粘りのあるグルテンが形成される。
湿麩量
強力粉32-48% 中力粉23-31% 薄力粉16-23%
・炭水化物 71-76%
ほとんどがでんぷんである。
・脂質 2%弱
胚乳にはほとんど含まれないが、胚芽には11.6%含まれる。
・ビタミン 米と異なり胚乳部にもビタミンB1が含まれる。
但し、B1は水溶性でアルカリで分解しやすいため調理法によっては損失が著しい。
中華めん → アルカリ性の水で捏ねて、大量のお湯で茹でる
パンやクッキー → 膨張剤がアルカリ性
・酵素 デンプンを分解するアミラーゼが含まれる。
3) 小麦の加工品
・パン
発酵パン
酵母(イースト)を使用/自然発酵
無発酵パン
薄焼き/膨張剤使用
・めん類
小麦粉などに水を加えて捏ね、細長い線上にしたもの。
JAS規格がある。
例) 乾めん類品質表示基準
そうめん 1.3mm未満 ひやむぎ1.3mm以上-1.7mm未満
うどん 1.7mm以上
うどん 小麦粉+塩+水
手延べそうめん 小麦粉+塩+水 → 植物油を塗ってよりをかけながら伸ばす
中華そば 小麦粉+かんすい → 生地は黄色
パスタ類 デュラム粉を使用
・その他
ふ(麩) たんぱく質(グルテン)より製造する
浮き粉 でんぷん
【植物性食品、その他の穀類】
c. 大麦
裸麦
大麦の系統名のひとつで容易に皮を剥いで実が取り出せるため食用に向く。
六条大麦が多い
皮麦
裸麦に対する呼び名。
六条大麦
・丸麦(精白して粒状で食用。消化が悪い、味がよくない。)
・押し麦(丸麦を蒸気で加熱し圧力を加えたもので、消化がよい。)
・切断麦、白麦などに加工して食用とする。
麦ごはん 割合
精白米 2合(300g) 押し麦50g 程度
水加減 2合分の水+100g(麦の2倍の水)
二条大麦
ビールやウイスキーの原料として用いる。
でんぷん含量が高く、活性化の高いアミラーゼを含むためアルコール発酵に向く。
d. ライ麦
黒パンの原料。
e. とうもろこし
ワキシー種、デント種、スイート種、ポップ種などがある。
日本での穀類利用の大部分は家畜の飼料である。
未熟なものを野菜として利用することもある。
胚芽は種子に対する割合が高く、脂質も多いためコーン油の原料に利用される。
主要たんぱく質はゼイン(ツエイン)で、第一制限アミノ酸はリジンである。
・コーンスターチ
とうもろこしでんぷん とろみを付けるために利用する
・コーンミール、コーングリッツ、コーンフラワー
f. そば
穀類の中ではアミノ酸価が92~100と高い。
主要たんぱく質はグロブリン、アルブミン
フラボノイドの一種でるルチンを含む。
====================
【植物性食品、いも及びでんぷん類】
■植物性食品 ■いも及びでん粉類
根が肥大した(塊根)もの
さつまいも、(いちょういも)、(ながいも)、(やまといも)、
(じねんじょ)、(だいじょ)
( ):やまのいも類
根茎が肥大した(塊茎)
[じゃがいも]、[さといも]、[みずいも]、[やつがしら]、
こんにゃく、きくいも
[ ]:さといも類
【植物性食品、いも及びでん粉類】
■植物性食品 ■穀類
b. 小麦
米に比べ脆いため粒状では使用せず、小麦の種子を粉砕、篩い分けして、皮部(表皮/ふすま)と胚芽部を取り去り、内部の胚乳部を集めたものを利用する。→ 小麦粉
胚乳部は小麦種子の約83%を占めており、炭水化物、たんぱく質などが主成分である。
1) 小麦の分類
・品種による分類
パン小麦、デューラム(デュラム)小麦、クラブ小麦など
パスタの表記でよく見かける デュラムセモリナ → デュラムは品種、セモリナは粗挽き
・播種(はしゅ)時期による分類
冬小麦、春小麦 春小麦の方がたんぱく質含量は高い傾向にある。
冬小麦 秋~冬に種を播き夏に刈り取る
春小麦 春に種を播き秋に刈り取る
・外皮の色による分類
赤小麦、白小麦 赤小麦の方がたんぱく質含量は高い傾向にある。
外皮の色のため製品(小麦粉)の色とは無関係
・粒子の硬度による分類
軟質小麦、中間小麦、硬質小麦
硬質小麦はたんぱく質含量が高く切断面がガラス状をしている。
日本で栽培されるのは主に中間小麦 → うどんに向く
・種類(薄力粉、中力粉、強力粉)
小麦粉はたんぱく質量により物性が異なり、調理特性も異なる。
薄力粉 たんぱく質含量は少ない 粘りが少ない
菓子、天ぷら、スポンジなどに利用
中力粉 たんぱく質含量は薄力粉と強力粉の中間
うどん、パンに利用
強力粉 たんぱく質含量は多い 生地の粘弾性が強い
パン、パスタ、中華めんなどに利用
・品位 特等粉、1等粉、2等粉、3等粉、末粉 など
灰分量から品質が決められている。
小麦粉の主成分である炭水化物はCとHとOからできており、灰化すると二酸化炭素と水になり何も残らない。そのため、小麦粉を550℃で灼熱灰化し残った灰の量から異物(外皮や胚芽)の混入を想定して品質を決める。
外皮やはいが混入すると繊維が増し、色が悪くなり、酵素活性も強めて品質を低下させる。
成分表 小麦粉 薄力粉 1等 0.4% 2等 0.5%
特等粉 0.32-0.36 1等粉 0.37-0.40 2等粉 0.45-0.55 3等粉 0.75-1.00
皮部(外皮)・胚芽の混入が少ない
→胚乳純度が高い→白度が高い。加工性に優れる。消化がよい。
皮部(外皮)・胚芽の混入が多い
→胚乳純度が低い→白度が低い。酵素による炭水化物やたんぱく質、脂質の分解がみられ、加工性が悪く、異臭が生じる場合がある。繊維質が多く消化が悪い。
2) 小麦の成分
一般成分
[小麦粉]薄力粉 1等
水分14.0%,タンパク質8.0%,脂質1.7%,炭水化物75.9%,灰分0.4%
[小麦粉]中力粉 1等
水分14.0%,タンパク質9.0%,脂質1.8%,炭水化物74.8%,灰分0.4%
[小麦粉]強力粉 1等
水分14.5%,タンパク質11.7%,脂質1.8%,炭水化物71.6%,灰分0.4%
・たんぱく質 8-12%
強力粉(11.7%) 中力粉(9.0%) 薄力粉(8.0%)
主体はグリアジンとグルテニン
リジンが第一制限アミノ酸でアミノ酸価は低い
小麦粉を水で捏ねると両者から粘りのあるグルテンが形成される。
湿麩量
強力粉32-48% 中力粉23-31% 薄力粉16-23%
・炭水化物 71-76%
ほとんどがでんぷんである。
・脂質 2%弱
胚乳にはほとんど含まれないが、胚芽には11.6%含まれる。
・ビタミン 米と異なり胚乳部にもビタミンB1が含まれる。
但し、B1は水溶性でアルカリで分解しやすいため調理法によっては損失が著しい。
中華めん → アルカリ性の水で捏ねて、大量のお湯で茹でる
パンやクッキー → 膨張剤がアルカリ性
・酵素 デンプンを分解するアミラーゼが含まれる。
3) 小麦の加工品
・パン
発酵パン
酵母(イースト)を使用/自然発酵
無発酵パン
薄焼き/膨張剤使用
・めん類
小麦粉などに水を加えて捏ね、細長い線上にしたもの。
JAS規格がある。
例) 乾めん類品質表示基準
そうめん 1.3mm未満 ひやむぎ1.3mm以上-1.7mm未満
うどん 1.7mm以上
うどん 小麦粉+塩+水
手延べそうめん 小麦粉+塩+水 → 植物油を塗ってよりをかけながら伸ばす
中華そば 小麦粉+かんすい → 生地は黄色
パスタ類 デュラム粉を使用
・その他
ふ(麩) たんぱく質(グルテン)より製造する
浮き粉 でんぷん
【植物性食品、その他の穀類】
c. 大麦
裸麦
大麦の系統名のひとつで容易に皮を剥いで実が取り出せるため食用に向く。
六条大麦が多い
皮麦
裸麦に対する呼び名。
六条大麦
・丸麦(精白して粒状で食用。消化が悪い、味がよくない。)
・押し麦(丸麦を蒸気で加熱し圧力を加えたもので、消化がよい。)
・切断麦、白麦などに加工して食用とする。
麦ごはん 割合
精白米 2合(300g) 押し麦50g 程度
水加減 2合分の水+100g(麦の2倍の水)
二条大麦
ビールやウイスキーの原料として用いる。
でんぷん含量が高く、活性化の高いアミラーゼを含むためアルコール発酵に向く。
d. ライ麦
黒パンの原料。
e. とうもろこし
ワキシー種、デント種、スイート種、ポップ種などがある。
日本での穀類利用の大部分は家畜の飼料である。
未熟なものを野菜として利用することもある。
胚芽は種子に対する割合が高く、脂質も多いためコーン油の原料に利用される。
主要たんぱく質はゼイン(ツエイン)で、第一制限アミノ酸はリジンである。
・コーンスターチ
とうもろこしでんぷん とろみを付けるために利用する
・コーンミール、コーングリッツ、コーンフラワー
f. そば
穀類の中ではアミノ酸価が92~100と高い。
主要たんぱく質はグロブリン、アルブミン
フラボノイドの一種でるルチンを含む。
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【植物性食品、いも及びでんぷん類】
■植物性食品 ■いも及びでん粉類
根が肥大した(塊根)もの
さつまいも、(いちょういも)、(ながいも)、(やまといも)、
(じねんじょ)、(だいじょ)
( ):やまのいも類
根茎が肥大した(塊茎)
[じゃがいも]、[さといも]、[みずいも]、[やつがしら]、
こんにゃく、きくいも
[ ]:さといも類
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